実験ってなに?どれくらいきついの?生命科学科の「実験」とは
1年次は「基礎」を固める期間 まず、私は2023年度の入学生なのですが、実は1年生の時点では実験の授業がありませんでした。 「えっ、理系なのに?」と思うかもしれませんが、その代わり、この1年間で生命科学の基礎知識を徹底的に叩き込まれます。 ここでしっかり勉強しておくと、2年生以降の理解度が全然違うので、結果的にかなり楽になりますよ(笑)。
2年次から本格スタート!「環境生物学実験」 2年生になると、ついに実験が始まります。私たちの代は「環境生物学実験」という科目でした。 この実験は、火曜と水曜の2日間セットで行われます。なぜ2日間かというと、生命系の実験は反応待ちの時間などがあり、1日で完結するものがほとんどないからです。内容としては、微生物を顕微鏡で観察してスケッチしたり、実際にPCR実験を行ってみたりします。実験は班単位で協力して行うので、一人でわからないことがあっても相談しながら進められます。また、実験開始前には「プロトコル」と呼ばれる手順書の作成を義務付けられているので、実験に臨む前にもやらなければならないことはあります。しかし、プロトコルを作成して手順を頭に入れてしまえば当日はただ手順に従い、反応を待っていればいい(2時間くらい待つ、ということも生命系の実験ならザラ)だけなので意外と楽だったりします。
最初の壁? PCR法を成功させろ! この実験の最終目標は、いわゆる「PCR法」を成功させることです。 PCRという言葉は皆さんも聞いたことがあると思いますが、簡単に言うと「狙った遺伝子を増幅させる技術」のことです。 最初の学生実験ということもあり、実験レポートの書き方や、実験機器の扱い方など、研究に必要な基礎スキルをここで学びます。これがかなり勉強になります!
成功者はわずか1割!?実験の難しさ 「PCRを成功させるのが目的」と言いましたが、これが実はとても難しい! 狙った遺伝子が増えず、空気中の細菌(コンタミネーション)などが増幅されてしまう失敗が多発しました。 実際、学科生70名ほどの中で成功したのは、わずか10名ほどだったと記憶しています。生命科学系に限らない話ですが、実験には繊細な精密作業が求められると痛感しました。まあ、失敗したら失敗したでそれについてレポートを書けばいいので特に問題はありません。自分にできる全力を出すだけです!
理系の試練「実験レポート」について そして最後に待っているのが、実験レポートの提出です。 確か毎週提出が義務付けられていたわけではなく、ある特定の週ごとに提出がありましたね。「理系大学生=忙しい」というイメージの大きな割合を占めるのがこのレポートですが、やはり例外ではありません。私もそれなりに苦労しました……。 ただ、最初からとてつもなくレベルの高いことを求められているわけではないので、心配しすぎないでくださいね!例えば、最初はレポートの書き方も何もわからないと思うんです。でも、それは教授が入念に教えてくれます。簡単に触れておくと、レポートは主に「背景」「目的」「方法」「結論」「考察」の構成で書くんですが、最初の内はそれも全くわからないわけです。手探り状態でレポートを書く時の恐怖と言ったらないです!
ちなみに、この実験は6月中旬には終わっていたはずです。実験がある時期とない時期では、スケジュールの余裕が圧倒的に違いました。メリハリがあるのも特徴かもしれません!